2007-01-01から1年間の記事一覧

John ChenのDutilleuxピアノ独奏曲全集

乗りかかった船、というわけではないですが、もう一つDutilleuxのピアノソナタのCDが出ていたのでこちらも買ってみました。演奏はJohn Chen(ジョン・チェン)で、2004年のシドニー国際コンクールの優勝者(2位がUrasin)。アルバムタイトルが「全集」となっ…

Lorene de RatuldのDutilleuxピアノソナタほか

Dutilleuxのピアノソナタ(1948)は、集めているというほどではないですが結構好きな曲で、今回のCDもたまたま目にしたので買ってみました。併録がKarol Beffa(1973-)の6つのエチュード他というのも、(Beffaという作曲家は聴いたことがないのですが)エチュー…

Kuijken/La Petite BandeのJ.S.Bachカンタータ集Vol.4

S.Kuijken指揮のOVPPによるJ.S.Bachカンタータ集第4弾。今回は16,65,153,154の4曲で、歌手陣はテノールがChristoph GenzからJan Kobowに代わっているほかは前回と同じです。今回のももちろん演奏は普通に良かったのですが、ただ曲自体の魅力がもう一つだった…

Leif Ove AndsnesのSchubertピアノソナタ第19番ほか

Leif Ove Andsnes(レイフ・オヴェ・アンスネス)によるSchubertのピアノソナタはこれまで何枚か出ていたと思いますが、今回やっと私の好きな19番(D958)が入ったので買ってみました。これまでと同様Ian Bostridgeによるリート(今回は竪琴弾きの歌D478と墓…

Tedi PapavramiのヴァイオリンによるD.Scarlattiソナタ集

D.Scarlattiのソナタをヴァイオリンで弾くという、なんともチャレンジングな試み。演奏はTedi Papavrami(テディ・パパヴラミ)で、私は初めて聴く人なんですがこれまでJ.S.Bachの無伴奏などもリリースしているようです。興味津々で聴いてみましたが、感想は…

6つの異なるカデンツァによるBeethovenピアノ協奏曲第3番

Beethovenのピアノ協奏曲第3番の第1楽章のカデンツァを、Beethoven自身を含め色々な作曲家よるバージョンで聴き比べられる、というのがこのCDのミソ。アイディアは面白そうなんですが、演奏者を見るとMichael Mische(ミヒャエル・リーシェ)。実は以前この…

David Tongのデビュー盤

David Tong(デヴィッド・トン)は1983年マカオ生まれ(現在はオーストラリア在住)のピアニスト。収録曲はRachmaninovの2番ソナタ(改訂版), 前奏曲23-5, 32-5、Chopinのスケルツォ第3番, エチュード10-1、Lisztの巡礼の年からヴェネツィアとナポリ, メフィス…

Severin von Eckardsteinのルール・ピアノフェスティバルライヴ

前回の続きで今回はCD2のソロ・リサイタルライヴ。曲はSchubertの楽興の時、Ravelの鏡、Prokofievのソナタ第4番です。前回の記事の最後で、ソロ・リサイタルも大いに期待、と書いたのですが、期待が大きすぎたせいか、(そもそも曲自体が必ずしもすべて好き…

Eckardsteinの弾く室内楽版Mozartピアノ協奏曲第24,25番

前回も触れたようにルール・ピアノフェスティバルのVol.13(2枚組)はSeverin von Eckaradstein(セヴェリン・フォン・エッカードシュタイン)特集。それだけでも期待させるのですが、さらにCD1はHummel編曲による室内楽版(Vn, Vc, Fl, Pf)のMozartピアノ…

ルール・ピアノフェスティバルVol.11(その2)

前回の続きで今回はCD1,2の感想。CD1は2005年の、4人のピアニストの演奏を集めたものですが、この中で印象に残ったのはChu-Fang Huang(ホワン・チューファン)によるRavelのラ・ヴァルス。タッチに張りと勢いがあって、音を「置き」にいくというか、守りに…

ルール・ピアノフェスティバルVol.11(その1)

Vol.9(編曲集)、Vol.1-8(10枚組)が予想以上によかったので、(以前ちょっと言ったように)調子に乗ってVol.11を買ってみました。Vol.11は2004-2006年の演奏を収録した5枚組。うち4枚は一人の演奏者で1枚という配分になっています。今回はその中でCD3〜5…

Jean-Yves Thibaudetの’アリア 〜 Opera Without Words’

Jean-Yves Thibaudet(ジャン=イヴ・ティボーデ)はもともと嫌いなピアニストではないのですが、いつからかDuke EllingtonやらBill Evansやらそっちの方面に手を出すようになって、あいにくその方面はまったく興味がないのでずっとスルーしていたのですが、…

Lise de la SalleのShostakovich/Liszt/Prokofievピアノ協奏曲第1番

彼女にとっては2枚目のアルバムにあたるJ.S.Bach & Liszt集を聴いて以来、大いに注目しているLise de la Salle(リーズ・ドゥ・ラ・サール)の3枚目のCD。今回はコンチェルトということですが、Shostakovich, Liszt, Prokofievのそれぞれの第1番を1枚にまと…

Viktoria LakissovaのTchaikovsky/Pletnevくるみ割り人形ほか

1/25のエントリで取り上げたViktoria Lakissova(ヴィクトリア・ラキッソヴァ)のScarlattiオマージュ作品集が好印象だったので、他にどんなCDを出しているのか調べてみたら、Tchaikovsky/Pletnev編のくるみ割り人形などを録音していたことがわかり、早速聴…

ルール・ピアノフェスティバル1997-2004(その4〜最終回)

今回はCD9,10の感想。10枚組BOXの感想もこれで一応終わりです。ちなみにCD9は2002年と2004年での現代曲演奏を集めたもの、CD10はボーナスCD(同じく2002,2004年の演奏)という位置づけになっています。まずCD9ですが、こちらはVol.9(2005年)のボーナスCDと同…

ルール・ピアノフェスティバル1997-2004(その3)

前々回、前回に引き続いてCD6,7,8の感想です。CD6(2002年)も前年に引き続き質の高い年で、Tzimon BartoのRameau、Dorel GolanのClementi、Martin HelmchenのLisztスペイン狂詩曲などなかなかの秀演が揃っています。その中で印象深かったはJonathan Gilad(ジ…

ルール・ピアノフェスティバル1997-2004(その2)

前回エントリの続きで、CD4,5を聴き終えたのでその感想を。ちなみに今回も先入観なく聴けるように事前に演奏者名を見ないようにして聴いています。(普通のCDでもそうできるとよいのですが。)CD4(2000年)で特に印象に残ったのはMatthias Kirschnereit(マテ…

ルール・ピアノフェスティバル1997-2004(その1)

1/19のエントリへのコメントでも書いたように、Chopinについて日頃思っていることを書こうと思ったのですが、Chopinに対するアンビヴァレントな思いからか(?)うまくまとまらず(^^;)、しかたないのでしばらく保留することにして、まずは注文していたルール・…

ルール・ピアノフェスティバル・ライヴVol.9

ルール・ピアノフェスティバルという音楽祭の存在はつい最近まで知らなかったのですが、少し前に過去(1997-2005年)のライヴ録音が一挙にリリースされています。演奏者の顔ぶれなどを見ると結構興味が湧くのですが、Vol.1-8は10枚組BOXという大部なのでひとま…

Viktoria LakissovaのScarlatti賛

Scarlattiのソナタ集のCDは巷に溢れていますが、これはScarlattiの作品と、後生の作曲家のオマージュ作品を合わせて1枚に収めるという企画物。(ちなみにジャケットに'Music of Tribute Vol.4'とあるように、これまで既にVilla-Lobos, Debussy, Faureのもの…

Muza RubackyteのShostakovich 24の前奏曲とフーガ

Shostakovichの24の前奏曲とフーガは、もちろん嫌いな曲ではないのでCDも何種類か持っているのですが、実はそれらもそれほどじっくり聴き込んでいるわけではなく、その上にまた(特に気になる奏者によるものでもない)新盤を買うのもどうかなとも思ったので…

前奏曲にはフーガがよく似合う

子供の歌で、ABCの歌というのがあります。キラキラ星のメロディーに合わせて、「A B C D …」と順に歌っていくあれです。あの歌詞のつけ方、というかアルファベットを区切る場所が日本語版と英語版では違っていて、日本語で「HIJKLMN」と歌うところを英語では…

Garrick Ohlssonのプラハ・ライヴVol.2

以前聴いたVol.1が割とよかったのでVol.2を買ってみました。今回はBrahmsのピアノ協奏曲第2番(バックはDelogu指揮チェコpo.)とMussorgskyの展覧会の絵。それぞれ'78年と'74年の録音です。まずBrahmsですが、正直録音はもうひとつで、ピアノの音がやや痩せ…

Rustem HayroudinoffのRachmanionv音の絵Opp.33&39

Rustem Hayroudinoff(ルステム・ハイルディノフ)というと、'98年リリースのデビュー盤に含まれていたRachmaninovの2番ソナタが割と好印象だったのですが、こんど音の絵(全曲)を録音したということで、この曲集は意外と全曲盤が少ないということもあって…

Dudana Mazmanishviliのデビュー盤

あけましておめでとうございます、というかもう8日ですが(笑)、一応まだ松の内ということで*1。実はお正月に体調を崩して…、ということはなく、単に正月休みでのんびりしていたら怠けぐせがついてしまいました(^^;)。本年もこれからはいつもぐらいの更新ペ…