2012-01-01から1年間の記事一覧
Alexander MelnikovのShostakovichピアノ協奏曲第1&2番ほか Yuja Wangの'Fantasia' Banchini & BoetticherのJ.S.Bachヴァイオリンソナタ全集 Hardy RittnerのChopinエチュード全集 Paul LewisのSchubertピアノ作品集 Stephen Houghの'French Album' Ashley …
Tebenikhinは第4回浜コンでお気に入りだったピアニストで、今回の収録曲も4番、8番、トッカータは別録音で聴いたことがあるが、応援の意味も込めてこの新録も購入。結果としては、このCDで彼の魅力は伝えるのはちょっと難しいかもしれない。4番は、以前のラ…
OVPPによるモテット集がまた一つリリース。このグループは初めて聴くが、全体的にリズミカルで一人一人の声にも存在感があり、(King's Singersを思わせるような)ポップな印象を受けた。こういうBachも当然よいと思うが、ただ残念なのはときどき合唱の部分…
つい最近聴いたデビュー盤では今一歩の印象だったMosellだが、Lisztアルバムということでまた手が伸びてしまった。しかし印象は今回もあまり変わらず。ただこれは録音のせいのあるのかもしれない。全体的にピアノの音がパサパサしていてタッチが今ひとつ洗練…
(私はほどんど聴いていなかったが)前回Chopinコンクールでファイナルまで進み、結構話題になったらしいKhozyainovのデビュー盤(ちなみにその後もダブリンで1位、シドニーで2位など赫々とした成績を収めているようである)。だがこのデビュー盤を聴く限り…
GorlatchのBeethovenでは、28番ソナタもこのアルバムに含まれている。終楽章のフーガでの安定感や緻密さはさすがだが、他の楽章はちょっと表現がstaticな感じがして、(期待の高さからすると)やや物足りない面があるか。その他のMozart, Chopin, Bartokあた…
メインの協奏曲第3番のライヴも佳演であるが(そういえば優勝した浜コンでも弾いていた)、それより印象に残ったのが併録の第1番ソナタ(こちらはスタジオ録音)。1番というとたいていはソナタ全集の1つとして、あるいはOp.2の3曲の1つとしていわば抱き合わ…
第3回浜コン優勝者のBaxがBrahmsパガバリを弾いているということで興味を持って聴いてみたが、予想外に(当時私はあまりBaxを買っていなかった)良い出来だった。第1変奏からスピード感、キレがあり、音も輝かしい。ただ惜しいのはスピードを重視し過ぎるせ…
安いので抱き合わせ用に買ったCDであるが、Scriabinの1番ソナタはよくわからないので置いとくとして、Prokofievの7番とLisztスペイン狂詩曲は(それほど悪くはないけど)デビュー盤ならばもうひと押し欲しいといったところ。プロコ7ということであれば、この…
気のせいか最近(時代楽器主流のこのご時世に)ピアノによるこの曲集の録音が多い気がする(FrayやTharaudも弾いているようだが未聴)。Lifschitzの演奏は、あくまで端正なPerahia盤と、表情たっぷりのDinnerstein盤の中間のようなアプローチ。ただ1番終楽章…
速めのテンポ、明晰なタッチで弾き進める楷書的なBach。それでいて情感にも不足せず、試験とかコンクールで弾く場合の(時代奏法などは考慮しない、あくまでモダンピアノによるアプローチとしては)お手本になりそうな演奏(廻由美子盤も同じような雰囲気だ…
Lisztアルバムで衝撃的(?)なソロデビューを果たしたBuniatishviliの第2弾はChopin。2番ソナタはLisztソナタほどのインパクトはなかったが、それでも凡百の演奏よりは彼女らしい主張があって面白く聴けた(特に終楽章は秀逸)。彼女の特徴が一番出ていると思っ…
Sudbinはこれまで何枚か聴いていてそれほど魅了されるピアニストではないのだが、曲目に惹かれて買ってしまった。が、やっぱり印象はこれまでとあまり変わらず。どれも悪い演奏ではないし、彼の特徴(?)といえる左手の存在感が面白い部分のあるのだが、繰り返…
かねてからCD化を待ち望んでいたPerahiaのベトソナ4&11番だが、彼の40周年記念ボックスに含まれる形での初CD化となった。そのうち分売されるかもということで迷ったが、いつになるかわからないということで結局購入。というわけでまたしてもSony Classicalの…
Shirinyanはアルメニア出身(デンマーク在住)のピアニスト。収録曲はダンテソナタ、Bergのソナタ、MozartのソナタK330、Mansurian(1939-)の作品ということで、普通なら買おうかちょって迷って結局保留、というパターンになりそうだが、ネットで試聴したところ…
こちらは通常のピアノを使っての演奏。解釈自体もオーソドックスで、多分Liszt的な勢いはWass盤よりこちらの方があってそこはまあ悪くないのだが、勢い重視のためか細部が多少曖昧になるのが惜しい。特に6番の終楽章はポイントとなるトリルやトレモロがクリ…
少し前のMartynov盤と同じく時代楽器を使っての演奏だが、こちらの方がグッと心に残るものがある、というかこれまで聴いた中でもGould盤に次ぐかもしれない。Gould盤と同様に全体的にゆったりかつ一貫性のあるテンポで、また時代楽器特有の鄙びた音色と相ま…
最近のHoughのソロアルバムはあまり感心しないことが多いので今回も買おうか迷ったが、結論としては久々の当たりと言えそう。冒頭のBach/Cortot/Houghのトッカータとフーガから動きにキレがあるし、道化師の朝の歌も模範的とも言ってよい演奏。他はFaure、Ch…
LewisのSchubert続編で、今回はソナタ第16番、さすらい人幻想曲、即興曲集D935、楽興の時ほか。16番は15番と同様、第1楽章が意外なほど速いテンポでちょっと驚いたが、それでも非常に説得力があり、いつもながらの音の充実感も相変まって素晴らしい出来。一…
SchiffのCDを買ったのは久しぶりだが、「Schiffも衰えたなぁ」というのが率直な感想。(もう60近いのである意味当然だけれど。)27年前の旧盤で見られたようなタッチや音色の絶妙なコントロールは後退しているし、何より旧盤で見られたような、ときに特定の…
1835年製Conrad Grafピアノを使用。時代楽器による演奏は他にKhouri盤を聴いたことがあるが、それに比べるとよほどしっかりしているというか、時代楽器による演奏という意味では(それ以外の盤を聴いてないのに言うのもなんだが)1つのスタンダードたりうる…
Saint-Saens/Liszt/Horowitz編のDanse macabre、Prokofievの悪魔的暗示にソナタ6番、Lisztのメフィストワルツなど、私の好みのツボを突いた選曲でかなり楽しみにしていた盤だが、結果的にちょっと残念な出来だった。冒頭のDanse macabreは悪くないのだが(こ…
最近はBeethoven/Lisztの交響曲の録音も珍しくなくなってきているが、本盤は1837年製のErardを使っているところが特徴。その意味で音は時代楽器らしい鄙びた軽快さが感じられてよいのだが、音を除いた演奏自体はあまり特長というか魅力が感じられなかった。…
Lisztの管弦楽作品のピアノ編曲版を集めたアルバム。オルフェウスやレ・プレリュード、タッソーあたりを聴く分にはそれほど感じないのだけれど、Busoni編のメフィストワルツを聴くと、Kuleshov盤と比べてあまりに演奏が酷く、ほとんど同じ曲に聴こえないほど…
Herrewegheの3度目となるロ短調の録音。モテット集のときは旧盤より合唱がより活き活きとして再録の価値が十分感じられたが、果たして今回も旧盤(2回目)に比べて合唱では輪郭がよりシャープになり、透明感も増し、彼はそこを狙っているのではないかと思わせ…
BanchiniはKuijkenと並んでバロックヴァイオリンでは私の最も好き&信頼している奏者だが、その彼女の久々(?)のBach。演奏は期待通り、表情が非常に豊かで伸びやか、また音の運びに勢いがあって退屈さを感じさせるところがない。この曲はそれほどいろいろな…
BavouzetのCDを買うのは実はこれが初めてだが、予想通りいかにもフランス的な、明晰かつ知情意のバランスがとれた演奏。ただ録音のせいか全体的にやや音が軽く、もう少し打鍵に覇気や力感が感じられればよかった。あるいはP.Lewisのような音色や響きの豊かさ…
デビュー盤のソロアルバムは今一つ、2枚目のコンチェルトは悪くないと思ったVinnitskayaだが、3枚目のRavel独奏曲集はやっぱり1枚目と同じような印象。冒頭の亡き王女のためのパヴァーヌこそ雰囲気が出ていて悪くないと思ったが、メインとなる鏡も夜のガスパ…
Grynyukは'06年の浜コンにも出ていて、そのときは残念ながら2次で落ちてしまったのだが、筋がよくとてもセンスがあると思ったピアニスト。その彼がGuldaとG.Gouldの曲を集めて1枚のアルバムに仕上げるというユニークなことをやってきた(しかもこれがデビュー…
1,2,3番を収めたアルバムが'07年に出てからとんと音沙汰がなかったので、てっきり頓挫していたものと思っていたら、このたび全集がリリース。ただその間に素晴らしいKurosaki & Nicholson盤が完結しており、それと比較すると正直いまひとつ感が否めない。特…