2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧
Saint-Saens/Liszt/Horowitz編のDanse macabre、Prokofievの悪魔的暗示にソナタ6番、Lisztのメフィストワルツなど、私の好みのツボを突いた選曲でかなり楽しみにしていた盤だが、結果的にちょっと残念な出来だった。冒頭のDanse macabreは悪くないのだが(こ…
最近はBeethoven/Lisztの交響曲の録音も珍しくなくなってきているが、本盤は1837年製のErardを使っているところが特徴。その意味で音は時代楽器らしい鄙びた軽快さが感じられてよいのだが、音を除いた演奏自体はあまり特長というか魅力が感じられなかった。…
Lisztの管弦楽作品のピアノ編曲版を集めたアルバム。オルフェウスやレ・プレリュード、タッソーあたりを聴く分にはそれほど感じないのだけれど、Busoni編のメフィストワルツを聴くと、Kuleshov盤と比べてあまりに演奏が酷く、ほとんど同じ曲に聴こえないほど…
Herrewegheの3度目となるロ短調の録音。モテット集のときは旧盤より合唱がより活き活きとして再録の価値が十分感じられたが、果たして今回も旧盤(2回目)に比べて合唱では輪郭がよりシャープになり、透明感も増し、彼はそこを狙っているのではないかと思わせ…
BanchiniはKuijkenと並んでバロックヴァイオリンでは私の最も好き&信頼している奏者だが、その彼女の久々(?)のBach。演奏は期待通り、表情が非常に豊かで伸びやか、また音の運びに勢いがあって退屈さを感じさせるところがない。この曲はそれほどいろいろな…
BavouzetのCDを買うのは実はこれが初めてだが、予想通りいかにもフランス的な、明晰かつ知情意のバランスがとれた演奏。ただ録音のせいか全体的にやや音が軽く、もう少し打鍵に覇気や力感が感じられればよかった。あるいはP.Lewisのような音色や響きの豊かさ…
デビュー盤のソロアルバムは今一つ、2枚目のコンチェルトは悪くないと思ったVinnitskayaだが、3枚目のRavel独奏曲集はやっぱり1枚目と同じような印象。冒頭の亡き王女のためのパヴァーヌこそ雰囲気が出ていて悪くないと思ったが、メインとなる鏡も夜のガスパ…
Grynyukは'06年の浜コンにも出ていて、そのときは残念ながら2次で落ちてしまったのだが、筋がよくとてもセンスがあると思ったピアニスト。その彼がGuldaとG.Gouldの曲を集めて1枚のアルバムに仕上げるというユニークなことをやってきた(しかもこれがデビュー…
1,2,3番を収めたアルバムが'07年に出てからとんと音沙汰がなかったので、てっきり頓挫していたものと思っていたら、このたび全集がリリース。ただその間に素晴らしいKurosaki & Nicholson盤が完結しており、それと比較すると正直いまひとつ感が否めない。特…
ロシアバレエ音楽のピアノ編曲集。'98年のデビュー盤でも弾いているPletnev編のくるみ割り人形は、テクニックもしっかりしていて安心して楽しめる。Stravinskyのペトルーシュカ3楽章もデビューの頃に録音しており、そちらはリズムのタメの入れ方などもう一つ…