ルール・ピアノフェスティバル1997-2004(その4〜最終回)

Klavier-Festival Ruhr

今回はCD9,10の感想。10枚組BOXの感想もこれで一応終わりです。ちなみにCD9は2002年と2004年での現代曲演奏を集めたもの、CD10はボーナスCD(同じく2002,2004年の演奏)という位置づけになっています。

まずCD9ですが、こちらはVol.9(2005年)のボーナスCDと同様、程度の差(と多少の例外)こそあれ基本的にはワケワカメ系の現代曲、ということであまりコメントすることはありません。それでも(普段現代音楽のCDを買うことがなく今のトレンドをよく知らない私にとっては)これらを聴く限り、現代音楽の主流(?)はやはり私の嗜好とはかけ離れているということが確認できただけでも収穫かもしれません(^^;)。

CD10はTzimon Barto(ツィモン・バルト)によるSchumannクライスレリアーナと、Peter Josza(ペテル・ジェーシャ)によるLisztとKurtag。BartoのSchumannは彼らしくメッチャ濃いというか癖のある演奏で、演奏時間も37分とこれだけでCD10の半分以上。彼はこの曲をEMIにも録音していて、そのときの併録だった交響的練習曲ではこういうアプローチはツボにはまったのですが、クライスレリアーナでは見通しの悪い(?)曲がさらに見通し悪くなるようで、個人的には今ひとつです。(元々この曲がそれほど好きではないというのもありますが。)一方JoszaはCD8でのMozartのソナタでの溌剌さが印象的だったのですが、今回のLisztはさほど…という感じです。Kurtagはよくわかりませんが。

最後に今回の10枚組のまとめとして、印象に残った演奏ベスト6を挙げてみました。

  1. Goodyear: ピアノソナタ第1番(第1楽章) Stewart Goodyear (CD3)
  2. Mozart: ピアノソナタK311 Peter Josza (CD8)
  3. Brahms: ラプソディー第1番 Jasminka Stancul (CD5)
  4. Weber: 舞踏への勧誘 Matthias Kirschnereit (CD4)
  5. Chopin: スケルツォ第1番 Marc Laforet (CD3)
  6. Beethoven: ピアノソナタ第5番 Jonathan Gilad (CD6)

全体としては、値段を考えると結構充実していたという感じです。というわけでこのシリーズのVol.11(5CD)とVol.13(2CD)も買ってしまいました。そのうちまた感想を書くことになると思います。