2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Vanessa Benelli Mosellのデビュー盤

安いので抱き合わせ用に買ったCDであるが、Scriabinの1番ソナタはよくわからないので置いとくとして、Prokofievの7番とLisztスペイン狂詩曲は(それほど悪くはないけど)デビュー盤ならばもうひと押し欲しいといったところ。プロコ7ということであれば、この…

Konstantin LifschitzのJ.S.Bachピアノ協奏曲集

気のせいか最近(時代楽器主流のこのご時世に)ピアノによるこの曲集の録音が多い気がする(FrayやTharaudも弾いているようだが未聴)。Lifschitzの演奏は、あくまで端正なPerahia盤と、表情たっぷりのDinnerstein盤の中間のようなアプローチ。ただ1番終楽章…

Stepan SimonianのJ.S.Bachトッカータ集

速めのテンポ、明晰なタッチで弾き進める楷書的なBach。それでいて情感にも不足せず、試験とかコンクールで弾く場合の(時代奏法などは考慮しない、あくまでモダンピアノによるアプローチとしては)お手本になりそうな演奏(廻由美子盤も同じような雰囲気だ…

Khatia BuniatishviliのChopinアルバム

Lisztアルバムで衝撃的(?)なソロデビューを果たしたBuniatishviliの第2弾はChopin。2番ソナタはLisztソナタほどのインパクトはなかったが、それでも凡百の演奏よりは彼女らしい主張があって面白く聴けた(特に終楽章は秀逸)。彼女の特徴が一番出ていると思っ…

Yevgeny SudbinのLiszt & Ravel

Sudbinはこれまで何枚か聴いていてそれほど魅了されるピアニストではないのだが、曲目に惹かれて買ってしまった。が、やっぱり印象はこれまでとあまり変わらず。どれも悪い演奏ではないし、彼の特徴(?)といえる左手の存在感が面白い部分のあるのだが、繰り返…

Murray PerahiaのBeethovenピアノソナタ第4 & 11番

かねてからCD化を待ち望んでいたPerahiaのベトソナ4&11番だが、彼の40周年記念ボックスに含まれる形での初CD化となった。そのうち分売されるかもということで迷ったが、いつになるかわからないということで結局購入。というわけでまたしてもSony Classicalの…

Marianna Shirinyanのソロデビュー盤

Shirinyanはアルメニア出身(デンマーク在住)のピアニスト。収録曲はダンテソナタ、Bergのソナタ、MozartのソナタK330、Mansurian(1939-)の作品ということで、普通なら買おうかちょって迷って結局保留、というパターンになりそうだが、ネットで試聴したところ…

Gabriele BaldocciのBeethoven/Liszt交響曲第1,6番

こちらは通常のピアノを使っての演奏。解釈自体もオーソドックスで、多分Liszt的な勢いはWass盤よりこちらの方があってそこはまあ悪くないのだが、勢い重視のためか細部が多少曖昧になるのが惜しい。特に6番の終楽章はポイントとなるトリルやトレモロがクリ…

Ashley WassのBeethoven/Liszt交響曲第6番

少し前のMartynov盤と同じく時代楽器を使っての演奏だが、こちらの方がグッと心に残るものがある、というかこれまで聴いた中でもGould盤に次ぐかもしれない。Gould盤と同様に全体的にゆったりかつ一貫性のあるテンポで、また時代楽器特有の鄙びた音色と相ま…

Stephen Houghの’French Album’

最近のHoughのソロアルバムはあまり感心しないことが多いので今回も買おうか迷ったが、結論としては久々の当たりと言えそう。冒頭のBach/Cortot/Houghのトッカータとフーガから動きにキレがあるし、道化師の朝の歌も模範的とも言ってよい演奏。他はFaure、Ch…

Paul LewisのSchubertピアノ作品集

LewisのSchubert続編で、今回はソナタ第16番、さすらい人幻想曲、即興曲集D935、楽興の時ほか。16番は15番と同様、第1楽章が意外なほど速いテンポでちょっと驚いたが、それでも非常に説得力があり、いつもながらの音の充実感も相変まって素晴らしい出来。一…

Andras SchiffのJ.S.Bach平均律全集

SchiffのCDを買ったのは久しぶりだが、「Schiffも衰えたなぁ」というのが率直な感想。(もう60近いのである意味当然だけれど。)27年前の旧盤で見られたようなタッチや音色の絶妙なコントロールは後退しているし、何より旧盤で見られたような、ときに特定の…

Hardy RittnerのChopinエチュード全集

1835年製Conrad Grafピアノを使用。時代楽器による演奏は他にKhouri盤を聴いたことがあるが、それに比べるとよほどしっかりしているというか、時代楽器による演奏という意味では(それ以外の盤を聴いてないのに言うのもなんだが)1つのスタンダードたりうる…