2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

Pascal GalletのJolivetピアノ協奏曲ほか

Jolivetのピアノ協奏曲は、初演者のDescavesの2種の録音がいずれもピアノの音がボケ気味な上に動きもモッサリしていて曲の面白さがイマイチ伝わっていない感があるのに対し、今回のライヴ録音はピアノの音も割とクッキリして(逆にオケが少し引っ込み気味か…

Andrei KorobeinikovのScriabinピアノソナタ4,5,8,9番ほか

前回('06年)の浜コンでは、是非2次に進んで欲しいと思ったにもかかわらず1次不通過だった人が5人いたが、その中の一人であるKorobeinikovのソロデビューアルバム。浜コンで彼を聴いたときは、音色や響きに非常に敏感で、実力を持ちながら技巧顕示に走るこ…

Ilya GringoltsのErnst作品集

デビュー盤のPaganiniを聴いて以来、なにかと気になる存在であったGringoltsの、今回はHyperionへの録音。Ernstはあまり詳しくなく、今回も聴いたことがあるのは有名な夏の名残のバラ変奏曲と魔王だけなのだが、その2曲から判断するに、彼の演奏は繊細さとか…

Freddy KempfのMussorgsky展覧会の絵ほか

Freddy Kempfの新譜は展覧会の絵、夜のガスパール、イスラメイという、技巧派志向の彼らしいプログラム。彼の演奏の傾向として、スピード感やノリの良さを重視するあまり、テンポが走ってしまったり細部が雑(誤魔化し気味)になったりする感じがあることを…

Kuijken/La Petite BandeのJ.S.Bachカンタータ集Vol.6

今回は(収録順に)18,23,1番の3曲。この中では1番が最も私とウマが合う曲で、また去年出たMilnes盤にも入っていたので聴き比べてみたが、ソロ(アリアとレチタティーボ)に関しては互角といった感じ。一方冒頭の合唱は今回のKuijken盤の方がより近くで歌っ…

Alexander MelnikovのRachmaniov音の絵Op.39ほか

一昨年のScriabin集がとてもよかったMelnikovの、今度はRachmaninov集。音の絵というとLugansky盤とAngelich盤が私のお気に入りだが、今回のMelnikov盤も(Op.39だけだが)なかなかいい線いっている。ただ全体としては前回のScriabinほどの感銘はなかったか…

Ralph van RaatのRzewski「不屈の民」変奏曲

この曲のCDを聴くのはこれが5枚目だが、Raatの演奏は全体的に遅めのテンポで丁寧に弾き進めているものの、メリハリというかリズムのキレにやや欠けるところがあり、技巧レベル的にはそれほど刮目するところはない。ただ最後のoptionalのカデンツァは曲の雰囲…