今年最も印象に残った10枚
- Alexander MelnikovのShostakovichピアノ協奏曲第1&2番ほか
- Yuja Wangの'Fantasia'
- Banchini & BoetticherのJ.S.Bachヴァイオリンソナタ全集
- Hardy RittnerのChopinエチュード全集
- Paul LewisのSchubertピアノ作品集
- Stephen Houghの'French Album'
- Ashley WassのBeethoven/Liszt交響曲第6番
- Murray PerahiaのBeethovenピアノソナタ第4 & 11番
- Khatia BuniatishviliのChopinアルバム
- Alexej GorlatchのBeethovenピアノ協奏曲第3番ほか
今年もいつも通り、新譜に限らず今年購入したCDの中から順位はつけずにブログ掲載順に並べている。今年は去年の反動からかちょっと不作で、正直10枚ではなく5枚にしようか迷ったが継続性も考えてやっぱり10枚とした。
それではみなさんよいお年を!
Amarcord & Lautten CompagneyのJ.S.Bachモテット集
OVPPによるモテット集がまた一つリリース。このグループは初めて聴くが、全体的にリズミカルで一人一人の声にも存在感があり、(King's Singersを思わせるような)ポップな印象を受けた。こういうBachも当然よいと思うが、ただ残念なのはときどき合唱の部分を器楽合奏のみで弾いているところ。ライナーによると彼らの趣向のようだが、合唱の見せ場のようなところで声がスッと抜けるのはやはり違和感がある。
Vanessa Beelli MosellのLisztアルバム
つい最近聴いたデビュー盤では今一歩の印象だったMosellだが、Lisztアルバムということでまた手が伸びてしまった。しかし印象は今回もあまり変わらず。ただこれは録音のせいのあるのかもしれない。全体的にピアノの音がパサパサしていてタッチが今ひとつ洗練されていないように聴こえてしまう。
Alexej GorlatchのBeethovenピアノ協奏曲第3番ほか
メインの協奏曲第3番のライヴも佳演であるが(そういえば優勝した浜コンでも弾いていた)、それより印象に残ったのが併録の第1番ソナタ(こちらはスタジオ録音)。1番というとたいていはソナタ全集の1つとして、あるいはOp.2の3曲の1つとしていわば抱き合わせで録音されることが多く、この曲だけ取り上げるということはあまりないと思うが、今回敢えてそうしただけのことはあり、特に奇を衒っているわけではないのだが、真摯に突き詰めればここまで充実した演奏になるのかと感銘を受けた。Gorlatchは浜コンでも1次で弾いたテンペストが1番印象に残っているし、今Beethovenのソナタを弾かせれば一番期待できるピアニストかもしれない。(チクルスでも録音しないかな。。)
Konstantin LifschitzのJ.S.Bachピアノ協奏曲集
気のせいか最近(時代楽器主流のこのご時世に)ピアノによるこの曲集の録音が多い気がする(FrayやTharaudも弾いているようだが未聴)。Lifschitzの演奏は、あくまで端正なPerahia盤と、表情たっぷりのDinnerstein盤の中間のようなアプローチ。ただ1番終楽章のカデンツァ前の部分で曲にそぐわないような大きなルバートを入れるのはちょっと賛成しかねる。(他の曲ではそのような大仰な表現はないのだが。)