Garrick Ohlssonのプラハ・ライヴVol.2

Garrick Ohlsson

以前聴いたVol.1が割とよかったのでVol.2を買ってみました。今回はBrahmsピアノ協奏曲第2番(バックはDelogu指揮チェコpo.)とMussorgskyの展覧会の絵。それぞれ'78年と'74年の録音です。

まずBrahmsですが、正直録音はもうひとつで、ピアノの音がやや痩せているというか、中空物を叩くような音であまり輝かしいという感じはしないのですが、でもOhlssonらしくフォルテ和音などでの楽器の鳴らしっぷりが気持ちよいです。(Brahmsの協奏曲はとにもかくにもピアノが鳴っていないと話になりませんから。)テクニック的にも十分で、(手の小さい人が弾く場合にありがちな)もたつき感がないのがよいです。多少残念なのはライヴのせいもあって隣の鍵盤を引っ掛けるなど細かいミスが散見されること(出だしのソロの部分からあります)。また明らかななミスとはいえないけれど、もう少しキチっと弾いた方がよさそうな(スタジオ録音なら多分録り直しするだろうな)ところも多少あります。ということでスタジオ録音ならもっと完成度が高くなったと思いますが、ただスタジオ録音はスタジオ録音で、ライヴでのような活きの良さが殺がれることもままあるので、一概にいいかどうかはわかりませんね。

一方のMussorgskyは、こちらは意外にも熱いというよりは冷静で全体的に完成度の高い演奏。テンポの揺れやタメが少なく、この曲のライヴ録音でありがちな、勢いはあるけど荒っぽいような演奏とは一線を画します。また感傷的になることも少なく、ちょっとあっけらかんとした感じはありますが、変に深刻ぶったり勿体ぶった演奏よりは、(どこかPeter Roesel盤に近いようなところがあって)結構私の好みです。ただこれも終盤のババ・ヤーガでは多少疲れが出たのかややテンポが揺れたりするのがちょっと残念かな。

というわけで今回も印象としてはまずまずという感じです。