本日も印象に残った演奏を挙げていく(演奏順)。
Choi IsakのLiapnov レズギンカ。
www.youtube.com レズギンカはコンクールでは多分初めて聴くが、かなりイケる演奏。なかなかのテクニシャンである。ちなみにこの曲の前に弾いたSzymanowskiの変奏曲もよい演奏だと思ったが、残念ながら私の得意な曲ではないので挙げなかった。
Gi InhoのScarlatti ソナタK.6とChopin Op.10-10。
www.youtube.com Scarlattiは溌剌とした打鍵が魅力的。Op.10-10も模範的とも言ってよい演奏(強いて言えばクライマックスの右手パッセージはさらにクッキリとしてるとよいが)。
Zhang RenのDebussy 半音階のための。
www.youtube.com 急速な半音階パッセージでの音の粒立ちが気持ちいい。
Kang DonghwiのScriabin Op.8-10とGranadosのゴイェスカスより愛の言葉。
www.youtube.com Op.8-10は滑らかというよりはメカメカしい演奏だが、そこが面白い。メカニックの強さが伝わってきた。愛の言葉はあまり詳しくない曲だが、こちらも技巧的な面白さが前面に出ていて楽しめた。ちなみに彼もまだ16歳。
Rafael KyrychenkoのFranck 前奏曲、コラールとフーガ。
www.youtube.com 響きが豊かで、この曲の荘厳というか敬虔な雰囲気がよく出ていた。じっくりと曲を慈しむように弾いていたが、ただこの曲にかなり時間を使っていて、このペースで大丈夫かなと心配していたら案の定、残りのエチュードは最初の方ですぐに打ち切りになってしまった。プログラムにちょっと無理があったか…。
Li XiaoxuanのProkofiev ソナタ第7番。
www.youtube.com 打鍵にメリハリがあり、また1音1音よく考えているというのが伝わってくる演奏。特に第1楽章の第2主題や第2楽章など緩徐部分が聴かせる。だが残念ながら彼も終楽章の途中で時間切れ打ち切り。終楽章も半分を過ぎていたので残りは1,2分だったと思うが、今回の審査は実に時間に厳しい。(ちなみにこの後の演奏者で、曲の残り数秒のところでベルを鳴らされた人もいた。その人はベルを無視(?)して最後まで弾いたが、今回は本当に容赦ない(笑)。)
Roman BorisovによるBolcomのエチュード。
www.youtube.com 初めて聴いたが、ユーモラスなところもあって曲が面白かった。
最後はJonas AumillerのJ.S.Bach/Busoni 前奏曲とフーガBWV532、Scriabin Op.42-5、Rachmaninov Op.39-1。
www.youtube.com 今日一番感激した演奏がこれ。BWV532のフーガは(原曲の方も)大好きな曲で、Youtubeでも演奏動画をいろいろ探しているのだが満足ができるものが見つかっていなかったところ、今日の彼の演奏がその穴を埋めてくれそうな感じ。速めのテンポながら最後までほぼインテンポで弾き切っており、(わずかな瑕はあるるものの)技術の高さがうかがえる。彼が次に進めるかわからないが、ともかく1次でこの曲を弾いてくれたことに感謝。この後のOp.42-5とOp.39-1も細かい音型まで非常にクリアで素晴らしい。
3日目の全体的な感想としては、(これまでの浜コンでもそうだったが)やはり韓国勢強しという印象を強くした。10代の優秀な若手も多く、今後第2のCho Seong-JinやYunchan Limが現れるだろうと思わせる素地というか層の厚さを感じた。(そういえば私のお気に入り動画でも、韓国(系)の演奏者が結構多い。)