Kuijken/La Petite BandeのJ.S.Bachカンタータ集Vol.5

Sigiswald Kuijken/La Petite Bande

Vol.1から聴き続けているSigiswald Kuijken/La Petite Bandeによるカンタータ集のVol.5。今回は(収録順に)BWV179, 35, 164, 17の4曲。声楽陣はアルト(Noskaiova)とテナー(Kobow)が前回と同じで、バスのWörnerはVol.1から復帰、ソプラノのSämannが新顔になっています。

前回の感想では、もう少し有名曲をやってくれるといいなということでしたが、今回も4曲中3曲(35番以外)は初めて聴く曲。ですが今回は曲が良いのかかなり楽しめました。179番や17番は最初の合唱が堂々たるフーガで聴き応えがありますし、164番も第1曲のアリアから何か心を揺さぶるものがあります*1。歌手陣でいうとまずバスのWörnerのよく響く声が気持ちよく、よい「楽器」を持っているなという感じ。テナーのKobowも前回に引き続いて若々しい歌い方が好調。特に164番の第1曲が聴かせます。そして今回はソプラノのSämannが健闘していて、これまでこのシリーズでは女声陣がもう一つかなと思っていたのですが、Sämannは派手さはありませんが清楚で気品のある歌声はちょっとLefilliatreを思い出させます。残るアルトなんですが、今回唯一聴いたことがある35番がちょうどアルトソロのための曲で、この曲はHerreweghe/Scholl盤が愛聴盤なのでどうしてもそれと比べてしまうのですが、う〜ん、やっぱりちょっと弱いですね。すべてにおいてSchollが上というわけでもなく、女声特有の柔らかい声などは魅力的な部分もあるにはあるのですが、特に私の好きな'Gott hat alles wohlgemacht'のような快活な曲ではちょっと押し出しが弱い感じです。あとそれ以上に差が大きかったのがオルガン。この曲はアルトと同じかそれ以上にオルガンが活躍するのですが、Demeyereのオルガンはどうも鈍いというかキレに欠ける感じで、これに関してはHerreweghe盤でのアーティキュレーションが明晰で躍動感溢れるMärklの方が断然好みでした。

そんなわけなんですが、上でも書いたように35番以外はかなり好印象の一枚でした。

*1:どこかBWV131('Auf der Tiefen〜')と似た雰囲気を感じます。