Wolfram Schmitt-LeonardyのSchumann交響的練習曲ほか

Wolfram Schmitt-Leonardy

Wolfram Schmitt-Leonardy(ヴォルフラム・シュミット=レオナルディ)がSchumannの交響的練習曲ほかを録音したということで、以前聴いたBrahmsの変奏曲集の印象がまずまずだったことと、Brilliantということで値段も安めなこともあって、抱き合わせ用(^^;)に買ってみました。併録はアベッグ変奏曲と6つの間奏曲Op.4。ちなみにジャケ写真を見るとBrahmsのときに比べて、リリースは3年しか違わないのにやけに老けて見えます(笑)。

全体を通して聴いてみると、彼の演奏の特徴として、音に透明感がありとてもクリア、粒立ちもよいということが挙げられそうです。解釈面でも、見通しがよいと言うか、変にもったいぶったりこねくり回したりするようなところがなく音がよく整理されていて聴きやすい感じです。サラっとベトつかない情感が心地よいというか。で、アベッグ変奏曲や間奏曲は、これまであまり聴き込んでない曲ということもあって、そういう素直な解釈がなかなかの好印象です。特に間奏曲はほとんど初めて聴く曲なんですが、5番や6番など結構気に入りました。
一方、交響的練習曲はよく知っている曲ですし、個性的な競合盤も多数聴いているのでそれに比べるとやはり印象がやや薄いかなといった感じ。濃厚なロマンティシズムやファンタジーに溢れるといったタイプではないですし、雄大なスケールや情熱で勝負するタイプでもなく、どちらかというとクールで端正なところがよいのですが、ただ(エチュードだけに)もう少し技巧の切れ味の鋭さみたいなものも欲しくなるところです。ちなみに遺作付きなんですが、遺作変奏は固めてではなくバラバラに挿入するやり方*1。あと第1変奏で初版を使っているのでもしかしたらフィナーレも、と期待したのですが、残念ながらそちらは通常の改訂版でした。

*1:挿入位置はCortot盤と同じようです。