デビュー盤はいまひとつの印象だったVinnitskayaだが、2枚目となるこの協奏曲はエリザベートコンの本選で弾いた曲だけあって、満を持したという感じ。(デビュー盤の方もコンクールで弾いた曲だと思うけど。)テクニック的に細部まで抜かりがなく、特に終楽章両端のAllegro部のキレとスピードはなかなかのもの。第3楽章の表現もよく練られていて、もちろんLi Yundi盤やF.Kempf盤のような誤魔化しっぽく聴こえるところもない。彼女は一旦興味を失いかけたが、今後もう少しウォッチしてもよさそうである。