Matthew CameronのLisztアルバム

少し前のレコ芸で紹介されていたもので、目玉はCameron自身の編曲によるレ・プレリュード。確かにTausig編曲版に比べるとよく練られている感じがする(Tausig編もメイン主題での煌めくような右手パッセージが好きだけど)。同じくCameron編曲のフン族の戦いもピアニスティックでなかなか面白い。レコ芸記事(や宣伝文句)によるとKatsarisが絶賛したらしいが、演奏自体はKatsarisのようなヴィルトゥオーゾ的というより、しっかり堅実という感じで、トランスクリプション(忠実)系の編曲ではその方が好ましいかも。一方ドン・ジョヴァンニの回想のようなファンタジックさが求められる曲では、ちょっと優等生的で物足りない気もする。