Alexandre Pirojenkoのコンクールライヴ

long_island2010-01-13

最近まで気が付かなかったのだが、Pirojenkoの公式サイトに彼の多分これまでのコンクール時ライヴ録音がいろいろとアップされている。(浜コン時の演奏も結構あるが、全部あるわけではないところをみると自分での納得のいく演奏だけを載せているのかもしれない。)今回初めて聴いた中ではProkofievの6番と7番のソナタが出色。いずれもテクニシャンPirojenkoの面目躍如といったところで、特に両終楽章のキレが素晴らしい(7番終楽章は終盤の跳躍部分でタメが入らないのがさすが)。一方、Chopin/Lisztの歌曲やFranckの前奏曲、コラールでは豊かな歌心も聴かせ、単なる指回りの人ではないこともわかる。

浜コン時の演奏はいずれも既に持っているが、MDでしか持っていない曲もあったので、今回MP3でダウンロードできるようになったのは(iPodにも簡単に取り込めるようになり)吉報。この中では繊細かつ鮮やかなタッチのScarlatti、浜コンの初出場時の1次で強烈なインパクトを与えたスケルツォとマーチ、その次の回のやはり1次でのハンガリー狂詩曲第19番(いずれもHorowitz編)、快速テンポで第1楽章がほとんど別の曲にも聴こえるDutilleuxのソナタなどは彼のピアニズムの特徴がよく出ており、興味がある人はこのあたりから聴いてみるとよいかも。