Cathy Krierのデビュー盤

[Avi-music 8553137]

Krierは1985年生まれ、ルクセンブルク出身のピアニスト。ジャケを見たときはまたいつぞやのようなヴィジュアル系かと思ったが、聴いてみるとしっかりとした実力を持った人だとわかる。ScarlattiやHaydnで見せる指回りはなかなかのものだし、Chopinの舟歌もツボを押さえていて悪くない。ただ音色がやや一本調子な面があるので、さらにタッチに陰影など変化や多彩さがあればよいかなと思う。本人が現代曲が好きだというだけあって今回一番聴き応えがあったのがMüllenbach(1949-)とDutilleuxで、前者は初めて聴いたがVineソナタを思わせるような曲想が面白い。Dutilleuxは第1楽章での粒立ちのよい音とノリが良さが印象に残る。