Alan WeissのAlkanピアノ曲集

Alan Weiss [Brilliant 93568]

Brilliantからの格安のAlkan。収録曲が必ずしも私好みでないのと、演奏者も知らない人だということでちょっと迷いましたが、2枚組で1000円以下なら試しに聴いてみるのも悪くなかろうということで買ってみました。主な収録曲はグランドソナタ「4つの時代」、短調による12の練習曲から第4-7番「交響曲」、エスキースOp.63から7曲、イソップの饗宴など。(詳しくはこことかここに載っています。)奏者のAlan Weiss(アラン・ワイス)はEl Bachaが優勝した'78年のエリザベートコンクールで4位だった人のようです。

聴いてみましたが、一言で言うと値段相応の演奏ってとこですかね。CD1で言うと、冒頭の夜想曲第1番や次のエスキースのようにあまり詳しくない曲を聴いている分には、まあこんなものかなということでさほど不満は感じられなかったのですが、その次のイソップの饗宴のようによく知っている曲になると明らかにイマイチ。右手が素早く動く序盤の第7変奏でいきなりちょっとモタツキ感が出てガクっとしますし、その後も「鮮やか」という形容詞をつけるのはちょっと難しいです。録音は'89年*1で、当時はとりあえず弾くだけでもそれなりに意義があったのかもしれませんが、最近はコンクールなどでも弾かれるようになり演奏レベルも上がっているので、このくらいの演奏だとちょっと見劣りがする感じです。グランドソナタの20代などもLibettaやHamelinを聴き慣れた耳には物足りないですし、エスキースも(私は聴いていませんが)Osborne盤を聴いている人には恐らくもう一つと感じられるのではないでしょうか(あくまで想像ですが)。というわけで、個々の曲を見ればいずれもこれより優れた演奏(盤)が他にありそうなんですが、とりあえずAlkanの曲ってどんな感じ?と手軽に知りたい人には悪くない盤なのかもしれません。

*1:CD2は2007年録音。