Beethovenのピアノソナタ全集について

前回エントリのコメントでのmasaさんの質問に答えるために(答えになっていないかもしれませんんが)、このようなエントリを立ててみました。

何度も書いているように私は全集で買うのはあまり好きではないので、Beethovenのピアノソナタ全集も、持っているのはPeal盤と横山幸雄盤の2種類だけです。全集(完結しているもの)のうち1枚でも聴いたことのあるものだと、Ashkenazy, Backhaus(Decca新盤), Badura-Sukoda, Barenboim, Brendel(Philips旧盤), El Bacha, Goode, Gulda(Decca, amadeo), Kovacevich, Levinas, Lortie, Pommier, Jandoくらいでしょうか。以前に各曲で好きな演奏を書いたことがあるのですが、奏者は結構バラバラ、しかも全集の中の演奏というのは案外少なくて、しょせん一人の奏者がすべての曲で満足のいく演奏が出来るものとはあまり思っていません。

まず持っている全集について言えば、Perl盤はなかなか悪くないと思います。線はやや細いですが、解釈はオーソドックスでテクも確か、最初に聴いて変な刷り込みが起きることもないでしょう。曲によっての出来不出来の差も少ないですし、平均点で言えばかなり上だと思います。

横山盤もここなどに書いたように特に前期ものは悪くないと思います。精神性云々を仰る向きにはウケはよくないでしょうが。

全部を聴いたことはないけどお薦め出来そうなのは、まずEl Bach盤です。実は分売で少しずつ、結局6枚買ったのですが、今だったら最初から全集で買っていたでしょう。キビキビとした指回りが気持ちよすぎて、他の盤では物足りなくなってしまう曲が出る危険性はありますが(笑)。

あとGoode盤も聴いた限りでは良さそうなのですが、分売しているものが少ないのであまり味見ができないのと、値段がやや高め(と言っても1万円くらいですが、流行りの激安廉価Boxに慣れてしまうと…)なので全集では買っていません。

Backhaus盤は昔、まだクラシックの聴き始めだった頃(LP時代)に準三大ソナタを聴いたときには特に不満は感じなかったのですが、その後CD時代に改めて1枚(9〜12番)買って聴いたみたら、指回りの危なっかしさとテンポの揺れ具合に辟易して、それ以来あまり聴く気になっていないです(^^;)。