Amir Tebenikhinの”The Legend of Dombra”

[KuK 09]

Tebenikhinは2000年の浜コンでGavrylyuk, Pirojenkoと並んで最も印象に残ったピアニスト。技巧面では他の2人に譲るものの、音楽性が素晴らしく、2次で彼が弾いたLisztのソナタは今でも愛聴盤となっている。今回のライヴ録音も彼の魅力を十分に堪能でき、なにか懐かしい気持ちになった。特に収穫だったのがSchumannの3番ソナタで、この曲は今まで苦手中の苦手としていて、ひょっとしてTebenikhinなら…(というかTebenikhinでダメならこの曲とは縁が無かったということか)と期待していたが、果たして彼の演奏を聴いてやっと曲の良さがわかった気がする(第2楽章はさすがにしつこいと感じるけど)。冒頭のSchubertの13番のソナタも、これまでよく聴いていたTarasov盤に劣らぬ魅力に溢れている。アルバムタイトルになっているMendygaliev (1921-2006)の作品も、ギターのトレモロ奏法を思わせるような高速同音連打をベースとしたトッカータ風の曲で面白い。