Stadtfeld plays Bach

Martin Stadtfeld

Martin Stadtfeld(マルティン・シュタットフェルト)と言えば、デビュー盤のゴルトベルク変奏曲が'Gouldの再来'みたいな宣伝のされ方をして(レーベルも同じSony Classical)、私も聴いてみたのですが、出来はあまり感心しなくて、それ以来避けて通ってきた感もあるのですが、これで見捨ててしまうのもなんだと思い2枚目のBachのピアノ曲集を買ってみました(実は配送無料にするための埋め草の意味もあったのですが:-)。曲はイタリア協奏曲、インベンションとシンフォニアフランス組曲第2番、幻想曲とフーガBWV944などです。2004年のリリース。

聴いてみたのですが、これが意外にも(?)悪くないです。ゴルトベルクのときは、タッチが十分にコントロールされているとは言い難く、また音色や表情の変化が乏しく機械的というかぶっきらぼうな演奏に思われたのですが、こちらの盤では曲が違うせいもあるのかそれがあまり気になりません。まずイタリア協奏曲ですが、速めのテンポに明晰なタッチで、GouldやLuganskyを思わせるような颯爽とした演奏。特に終楽章のテンポはLugansky盤などを超え、手持ちの中で最速です(ただタッチの精度や声部の表情づけなどはLugansky盤ほどではありませんが)。フランス組曲は明らかにGouldを意識したようなノン・レガートのタッチを多用していますが、ゴルトベルクのときのような単調さがなく、なかなか聴かせます。一方インベンションは、Gouldのような味わい深い演奏というよりはもっとシンプルかつストレートで、どちらかというと高橋悠治盤を思わせるものがありますが、極端に速いテンポをとっているものもあったりして、これはこれで個性的です。(実は最近はRubsamのチェンバロ奏法を考慮した演奏が気に入っていますが。)ただ幻想曲BWV944や一部の曲では、また機械的というか指回りを誇示するだけのメカメカした演奏になっていて個人的にはどうかなと思います。

ともあれ、彼のことは少し見直しました。この後リリースされたSchumannにもちょっと興味が湧いてきています。