Till FellnerのJ.S.Bachインベンションとシンフォニアほか

[ECM B0012789-02]

Fellnerは昔出た平均律第1巻がとても良かったので、早く2巻を出さないかな、と首を長くして待っているのだが、今回はインベンションとシンフォニア。これも平均律と同様、タッチが非常によくコントロールされ、洗練かつ流麗。歴史的奏法(チェンバロ奏法)を考慮しないアプローチとしては模範的と言え、その意味で学習者がお手本にするのにうってつけだろう。(ただし3声のEs-Durはなぜか装飾音をかなり端折っており、これはお手本にしない方がよさそう。)一方でこの曲はシンプルなだけに、個人的には多少アクのあるGould盤や高橋悠治盤、あるいは歴史的奏法を大胆に取り入れたRübsam盤に魅力を感じる。併録のフランス組曲も、悪くはないが少し前に聴いたDinnerstein盤の方がより自由で躍動感があった。というわけで今度Bachを録音するときは組曲系ではなく、是非平均律2巻を(しつこい)。