LuganskyのChopin前奏曲集

Nikolai Lugansky

Chopinの前奏曲集で気になっていたもう一枚、Nikolai Lugansky(ニコライ・ルガンスキー)盤もこの機会に、ということで聴いてみました。2001年録音で、併録曲はバラード第3,4番とノクターンのOp.48-1, 27-2, 62-2。

印象はというと、微妙、というところでしょうか。急速曲での指回りなどはさすがというかLortieより上を行き、音も抒情的で美しいのですが、緩徐系の曲がもうひとつ。遅めのテンポをとってじっくり歌おうとしているのでしょうが、どうも流れが沈滞しているというか、もう少し豊かな起伏、カンタービレのセンスが欲しい感じです。歌い方がやや単調といいましょうか。彼のこういうところはデビュー盤(メフィストワルツの中間部など)のときから感じていたことですが、やはりこういうのは生まれもってのセンスなのか、あまり変わらないですね。もっともこういうセンスのようなものは相性みたいなもので、これがよいという人ももちろんいると思いますが。

ちなみに併録ではバラード第3番が清々しくて悪くないと思いました。4番の方はVanguard時代にも録音していたので再録になりますが、やはりちょっと淡々とし過ぎて、個人的にはもう少し豊かな歌を聴きたいところです。(そういえば、彼はこのChopinをはじめ、Rachmaninov, Prokofievでもレーベルが変わっての再録が多いですね。Michelangeliなどのように、あまりレパートリーを増やさないタイプなのでしょうか。だとしたらちょっと残念。)

Chopinの前奏曲集のCDもこれである程度溜まってきた(といっても10枚ちょっとですが)ので、聴き比べでも書いてみようかなと思いましたが…あくまで思っただけです(^^;)。