JablonskiのChopin前奏曲集

Krzysztof Jablonski

先日のChopinコンクールのCDを買うときについでにChopinの棚をつらつらと眺めていたらKrzysztof Jablonski(クシシュトフ・ヤブウォンスキ)の前奏曲集のCDが目に留まり、そういえば彼のエチュード集はよかったな、ということで今度は前奏曲集を買ってみました。録音は'99年ということなのでエチュード集の1年後です。

感想ですが、エチュード集の出来から期待していたのと比べると、もうひとつというところでしょうか。癖がなくて端正な演奏だと思うのですが、やや教科書的というか面白みに欠けるというか。技術的にもエチュードのときのキレ味の良さに比べるとこちらはちょっとおとなしめというか(あるいはあまりテクニカルな面が表に出ないようにしているのか)抑えているような印象を受けます。録音もややデッド気味で、エチュードのときはそのクッキリハッキリした音が曲に合っていたと思うのですが、前奏曲となるともう少し潤いのある音が欲しくなります。

実のところ、私はChopinの前奏曲集のCDについてはコレ!という盤にまだ出会っておらず、私の好きなピアニストが弾いた録音もいくつか聴いているのですが、どこかちょっと違う(そういえばショパコンでのBlechaczの演奏も、他の曲に比べるとまだエンジンがかかっていないという印象でした)ということで、ひょっとしたらありもしない演奏を追い求めているのかもしれません。私としては、爽やかで瑞々しく、繊細で、詩情に溢れて、それでいてキレがあって、たとえばエチュード集でのLortieのような演奏を求めているのですが、と思ったらまだLortie盤を聴いていませんでした(笑)。これを機会に買ってみようかなと思ったところです。(そういえばLugansky盤もまだでした。)