Gregorio NardiのLisztアルバム

'Rare Piano Works'と題されているが、それほど珍しい曲はなく、B-A-C-H主題による幻想曲とフーガなどむしろよく弾かれる曲も含まれている。演奏に関しては、技巧は水準以上だし解釈もツボを押さえていて悪くないのだが、ドライな録音のせいか少しパサパサして音の豊かさや輝かしさに欠け、また1音1音の情報量も少ないように思える。たとえば清教徒の回想は去年聴いたWolfram盤に比べると指回りの点では上回っているかもしれないだけにちょっと惜しい。