William WolframのLisztピアノ曲全集Vol.31

前回のDonizettiの編曲集はこのシリーズ中でも最高に近い出来ではないかと思っていたので、今回のBelliniも大いに期待していたが、正直前回ほどではなかった感じ。それでも全体的に質の高い演奏となっており、特に輝かしく鳴る和音は魅力的。ただ最も期待していたノルマは、堅実というか安全運転的な印象で、例の戦争だ!の部分は1音1音をはっきりと丁寧に弾くのが逆に面白いものの、その後のStrettaはBellucci盤を聴き慣れた耳にはテンポがあまり上がらないのがもどかしい。またこの曲に限らずオペラ・ファンタジーにしてはやや真面目で、もう少し遊び心や洒脱さがあってもよいように思う。