Ralph van RaatのRzewski「不屈の民」変奏曲

[Naxos 8.559360]

この曲のCDを聴くのはこれが5枚目だが、Raatの演奏は全体的に遅めのテンポで丁寧に弾き進めているものの、メリハリというかリズムのキレにやや欠けるところがあり、技巧レベル的にはそれほど刮目するところはない。ただ最後のoptionalのカデンツァは曲の雰囲気によくマッチしていて、ここに現代物のスペシャリストである彼の本領が一番発揮されているように思う。ちなみに(やはりoptionalである)叫び声や口笛は入っていない。また変奏ごとにトラックが切られていないのは(値段は安いものの)あまり初心者向きとは思えない。