Yuja Wangの’Transformation’

デビュー盤ソナタ集はもう一つ感心しなかったYujaだが、今回の編曲集は技巧性が高い曲揃いということで彼女の本領が発揮されている。特にペトルーシュカとPaganini変奏曲はメカニックの点ではこの曲の録音の中でもトップクラスにあると言えそう。後者はMichelangeliと同様、1巻→2巻→1巻というようにサンドイッチ状に配置しているため2巻の最終変奏が含まれていないのが少し残念だが。あとラ・ヴァルスも、音の洪水とまでは言わないまでもさらにむせかえるような芳醇な響きがあるとよいかと思った。そして実は一番の不満は収録時間が58:27と短いこと。編曲物ということであれば、得意の熊蜂トリッチ・トラッチ魔王真夏の夜の夢などいくらでも入れるものがあったと思うのだが…出し惜しみ?