GlemserのRachmaniovピアノソナタ第2番ほか

Bernd Glemser

Bernd Glemser(ベルント・グレムザー)は、最初のLiszt曲集を聴いて以来好きなピアニストの一人なんですが、今回Rachmaninovピアノ曲集がリリースされたということで、迷いながらも買ってみました。曲はソナタ第2番(1913年版)、Corelliの主題による変奏曲、楽興の時など。迷いながらも、というのは彼のCDには最近はもう一つと思えるものもままあって、特に2002年に出たProkofievのソナタ集Vol.3(5,6,9番)の出来にはかなりがっかりした覚えがあり、彼ももうピークを過ぎたかなという感じがしていたからです。(今回のジャケットの裏の写真もなんとなくくたびれた顔に見えるのは気のせい?。ちなみに彼は今年44歳。)あと、いつものNaxosではなくそれより高めのOehmsから出ていたことももちろんあります(笑)。

聴いてみたのですが、私の悪い予感は当たってしまっていたようです。Corelliや楽興の時はそれほど聴き込んだ曲ではないのであまりはっきり言えませんが、少なくともソナタを聴く限り、もちろん大きく崩れることはないものの、スピードやキレがもう一つという感じです。特にキレに関して、(彼の持ち味であったはずの)音のシャープさというか締まりにやや欠ける感があります。その分コクや歌心で大いに聴かせてくれればよいのですが、Glemserはもともとそこで勝負するタイプではないだけにちょっと苦しいかな。

Glemserには、せっかくNaxosと契約している間にLisztピアノ曲全集のいくつかでも担当してもらいたいなと思っていたのですが、いよいよテクニックの衰えないうちに早く、という気がする今日この頃です。何と言っても17(?)のコンクールで入賞したことのある元コンクール荒らしですから:-)