Davide Cabassiのデビュー盤

Davide Cabassi

少し前に出た盤ですがDavide Cabassi(ダヴィデ・カバッシ)のデビュー盤の感想を。Cabassiは去年のクライバーンコンクールでの演奏の様子をネットで少し見た気もするのですがあまりよく覚えていなくて、ほとんど初めて聴くピアニストです。曲はStravinskyペトルーシュカ3楽章、Bartokの舞踏組曲、Fallaの恋は魔術師より3曲、Ravelのラ・ヴァルス。一応、'Dancing with the Orchestra'ということで舞曲(管弦楽曲)のピアノ編曲集というコンセプトになっています。

ざっと聴いた感想ですが、全体的にテクニックも安定していてなかなか筋のよさそうなピアニストです。ただ(ありがちなケースですが)ややインパクトには欠けるかなと。ペトルーシュカは最初の2楽章は水準以上の出来だと思うのですが、終楽章の後半というか終盤に入ってやや息切れしたかのようにモタついた感じが出るのは残念。ラ・ヴァルスも彼自身の編曲というか音の追加が少し入っている(と言ってもたいていのピアニストはそうですが)ようですが、全体的にはまったりと落ち着いた感じで、特にキレがあるとか音がゴージャスだとか、そういう路線ではないようです。ちなみにクライバーンコンクールでの演奏を見たときは音色のコントロールがすごく上手い気もしたのですが(あくまで「気」です)、このCDでは録音のせいもあるのかあまりそういうところは感じられなくて、例によってデビュー盤でのスタジオ録音シンドロームにかかっているのかもしれませんね。

というわけで、悪くはないのですが、今後彼のディスクは要チェックだとか、他に出している盤も(これがデビュー盤なので普通はないですが)聴いてみようとか、そこまではいかなかったかなというところです。