Petrovのアンコール集

Nikolai Petrov

Olympiaから出ている一連のNikolai Petrov(ニコライ・ペトロフ)のCDのうち、ライヴでのアンコール曲を集めた一枚は、収録曲の点でもうひとう食指が動かず買わずにいたのですが、そうこうしているうちに廃盤(?)になっていて、かといって特にしまった!と思ったわけでもないですが、最近また簡単に手に入るようになったようなので購入してみました。収録曲はBachからKapustinまで多岐に渡っていて15人の作曲家の22曲。ただWeberの無窮動ロンドだけは'64年と'92年の2回の演奏が(CDの最初と最後に)入っています。

で、聴いてみたのですが、正直なところ、当初購入を保留していたのはあながち間違っていなかったかな、というところです。少なくともOlympiaの他の名盤(1838年版のPaganiniエチュードや幻想曲集、Saint=Saens/Bizetの協奏曲など)ほどのインパクトのある演奏は見当たらないという感じです。全体として、ライヴなので仕方ありませんが、スタジオ録音に比べると勢いはあるけど完成度がもうひとつ、また音質もイマイチです。(ちなみにいろいろなコンサートのアンコール演奏を集めたせいか音質はバラバラです。)Debussyの花火などは最初の方で音の粒が揃っていなかったりしてちょっと気になりました。また各曲ごとに拍手が入っているのも個人的にはちょっとウザいかな。

その中で比較的印象に残ったのはPrevinの'The Invisible Jazz Drummer'の前奏曲。演奏がというより曲がなかなか面白いと思いました。あとはShchedrinやKapustinなど、比較的新しい曲の方が(曲自体の新鮮さのせいか)個人的には楽しめます。ちなみに旧新2種類あるWeberの無窮動ロンドは、新しい方が激しく迫力があるのですが、技術的完成度で言ったら昔の方が上という感じです。