Boris Bloch plays Liszt

今回も新譜ではありませんが、最近買ったCDということで表題のBoris Bloch(ボリス・ブロッホ)のLiszt集を。曲はオーベルマンの谷、ハンガリー狂詩曲第2番、コンソレーション第3番、ため息、Busoni編曲によるピアノと管弦楽のためのスペイン狂詩曲、エフゲニー・オネーギンからポロネーズSchubert/Lisztのさすらい人、水車屋と小川。2002年のライヴ録音です。

以前からCDショップのLisztの棚のところで見かけていて、気になりつつも踏ん切りがつかずにそのままにしておいたものですが、彼の名前がHusum音楽祭のハイライトCDに載っていることに気が付き、それならそれなりに弾ける人だろうということで買ってみました。これまで保留していたのも、曲的には割と面白そうなのですが、ジャケットを見ると頭の禿げ上がった風采の上がらなさそうなおやぢ(失礼!)が弾いていて、なんとも怪しそうな雰囲気があったからです(笑)。(私のこれまでのCD購入経験からいうと、やっぱり奏者のルックスと演奏の出来はある程度の相関関係があって、一般にルックスの良い人は演奏も期待できることが多いのです。最近聴いたCDではH.Schuchなどがそうですね。もっとも天が二物を与えたような人はそれだけ印象に残りやすいからかもしれませんが。)

で、中身の方ですが、私の予想が悪い方に当たってしまったみたいです。録音がもうひとつせいもあると思うのですが、全体的にタッチがあまり洗練されていないというか、潤いがなく凸凹した感じになっています。それを抜きにしてもメカニック的にあまりキレがなく、「鮮やか」と感じさせるようなところが乏しいです。曲的に一番興味深いBusoni編のスペイン狂詩曲も、これまでGinsburgによる'50年代の古い演奏しか持っておらず、音質の良い演奏ということで期待したのですが、終盤など技巧的にもうひとつピリっとしません。(Ginsburgの演奏もあまり気に入っていませんが。)

実は彼はこれ以外に別レーベルからLiszt編曲集のCDを出しているようで、そちらはノルマの回想やルチアの回想などが入っており、またスタジオ録音ということで演奏も万全を期せるでしょうから、機会があったら聴いてみたいと思います。