Freddy KempfのMussorgsky展覧会の絵ほか

[BIS-SACD-1580]

Freddy Kempfの新譜は展覧会の絵、夜のガスパール、イスラメイという、技巧派志向の彼らしいプログラム。彼の演奏の傾向として、スピード感やノリの良さを重視するあまり、テンポが走ってしまったり細部が雑(誤魔化し気味)になったりする感じがあることを以前にも書いた覚えがあるが、今回はそういう兆候もほとんどなく、開放感や屈託のなさといった彼の特長も現れ、全体的によくまとまった演奏と言えそう。ただMussorgskyとRavelカップリングというと個人的には一昨年のTiempo盤インパクトが強く、それに比べるとやや印象は薄くなってしまう。あとどうでもいいけど、イスラメイ終盤のグリッサンドはえらく大人しい。