Anna Vinnitskayaのデビュー盤

[naive AM177]

Vinnitskayaは一昨年のエリザベートコンの優勝者。そのときの演奏はまったく聴いていないが、今回のCDを聴く限りでは、全体的な印象はやや微妙。冒頭のRachmaninovソナタはテンポがゆったり目で、じっくり丁寧に弾いているのだが、さすがにここぞというところでのスピード感や追い込み感に欠ける。そうかと思うと最後のProkofievは速めのテンポでメカニックの強さを見せつけるが、第1楽章などはちょっとせかせかした印象も受ける(終楽章終盤でのインテンポのキープは立派だが)。結局個人的にはGubaidulinaのシャコンヌが一番しっくりきているようだった。