LibettaのMussorgsky展覧会の絵ほか

Francesco Libetta

先日LibettaのCzerny練習曲の感想を書きましたが、それと同時期にMussorgskyの展覧会の絵ほかを収録したCDも出ていたので聴いてみました。曲は展覧会の絵の他にゴパック(オリジナル版とRachmaniov編曲版)とBalakirevのソナタ変ロ短調です。

感想ですが、正直かなりイマイチでした。やはり大きな問題はCzernyでも感じたタッチの埃っぽさ、不安定さで、これは特にBalakirevのピアノソナタで感じるところです。このソナタはあまり詳しくない曲なんですが、それでも終楽章での(指がもつれているとまでは言いませんが)指回りのぎこちなさは初めて聴く人でも感じるのではないでしょうか。「弾けてない」と言う人もいるかもしれません。正直聴いていてつらいものがあります。

展覧会の絵も、これは録音と楽器(Bechstein)のせいも多少あると思いますが、ピアノの音が美しくなく、芯の無い、あるいは籠った感じの音で個人的には魅力に欠けます。解釈も普通というか平凡であまり感心するところがありません。特徴と言えばテュイルリーや雛鳥のバレエなどのスケルツァンドな曲で非常にゆっくりしたテンポをとっていることですが、そのテンポでもタッチがコントロールされているとは言い難く、たどたどしさすら感じます。リモージュの市場はまあ普通のテンポなんですが、そちらも瞬間的に走ってしまったりしてリズムが乱れ、どこか素人っぽいところがあります。ババ・ヤーガも、もっさりというよりはモタついた感じで、正直良いところを見つけるのが難しいです。

というわけでこれは最近聴いたCDの中でもイマイチ度が高かったです。Libettaがこの録音でOKを出したのが不思議なくらいでした。