Olivier MoulinのLisztアルバム

Moulinは1978年フランス生まれのピアニストで、これがデビュー盤ぽい。陰影を付けずに屈託なくストレートに弾き進むのはDanse macabreやTotentanzのような技巧顕示主体の曲ではある意味気持ちが良いのだけど、ペトラルカのソネットや葬送、ダンテソナタの緩徐部などではさすがにデリカシーの欠如が気になるし、そもそも歌心の点でもちょっとセンスに疑問がある。というわけで死の舞踏2曲のみが収穫。