Maurizio BagliniのJ.S.Bach/Busoni編曲集Vol.2

第1集が好印象だったBusoni編曲集の続編。今回は私の好きなBWV532が含まれていたが、残念ながらこれはもうひとつ。いつものように音色やタッチが多彩なのはよいが、フーガ後半のアゴーギクはさすがにちょっと大仰すぎるし、またフレーズ中でテンポが走ったりして今ひとつ安定しない。一方で今回は半音階的幻想曲とフーガのBusoni版が含まれていて、そんな編曲もあったのかと興味津々だったのだけど、こちらは編曲というよりBusoniによる校訂版というべきもの。ただこの演奏が意外になかなか良い。Bagliniの解釈かBusoniの指示かはよくわからないけど、幻想曲では細かな表情の変化が巧みだし、フーガでのスタカートを多用するアーティキュレーションも説得力があって聴かせる。