Freddy KempfのProkofievピアノ協奏曲第2 & 3番ほか

BISからすでに多くのCDを出しているKempfだが、意外なことに協奏曲はこれが初めて。今回は全体的にすっきりとスマート、例によって緻密さとか精密さといった言葉からはちょっと遠いが、彼の長所である自発性の高さやノリのよさが感じられ、まずまず好感が持てる。また以前のProkofiev作品集であったような、勢いよく開始したはよいがインテンポがキープできなかったりリズムが崩れてしまったりというような失態も今回は見られない。ただ3番の終楽章で頻出する連続2度のパッセージ（たまにグリッサンドで弾く輩もいる）や、2番の第3楽章での煌めくようなパッセージ（Yundi盤でも気になった部分）が音が小さくてよく聴こえないのは残念。