Kuijken/La Petite BandeのJ.S.Bachマタイ受難曲

[Challenge Classics CC72357]

先日のコメントで書いたようにマタイは苦手曲なのだが、KuijkenによるOVPP演奏ということで思い切って購入。が、やっぱり苦手意識は克服できなかった。というか曲の良さがよくわからない。レチタティーヴォが非常に多い(体感的には6割くらいを占める)し、合唱曲は多くが細切れ・断片的で、聴きごたえがあるのは冒頭曲くらい。ロ短調ミサと並んでBach宗教曲の最高峰と称されることが多いこの曲だが、純粋に音楽的な充実度(密度と言ってもよい)の点ではロ短調とは比較にならないように思える。救いは福音史家がGenzであることで、正直彼の魅力的な声でなかったらこの長丁場は耐えられなかったかも。さらにイエスがCrabbenなのも嬉しいのだが、このような重要な役であってもアリアは数えるほどしかないというのがさみしい。まあ、とりあえず当面はこの盤があれば新たに別の録音を買う必要はなさそうである。