Lazicが小さい頃からピアノのほかにクラリネットや作曲もやっていたのは知っていたが、こういう編曲までするとは思わなかった。聴いていみると、編曲としては極めて真っ当というか、いかにもBrahmsが書きそうという意味で雰囲気がよく出ている。ただ総合的に曲として魅力的かというとまた微妙なところで、たとえばBeethovenのヴァイオリン協奏曲であれば原曲と同じくらいピアノ編曲版も好きなのであるが、こちらは(まだ数回しか聴いていないこともあるが)まだそこまでいっていない。Lazic自作の第1楽章カデンツァは結構聴きごたえがあったので、もう少しこういうトンがったというか主張する部分を増強してもよかったのではないかと個人的には思う。