Giovanni BellucciのBeethoven/Liszt交響曲第5番ほか

[Warner 2564-69196-6]

BellucciがBeethovenのソナタとLiszt編の交響曲カップリングして全集として録音予定だという話はだいぶ前に聞いたことがあったが、最初に交響曲7番とソナタ数曲を出した後は音沙汰がなく、てっきり立ち消えになったのかと思っていた。ソナタに関しては、ここにも書いたように彼の弾く10番が気に入っているので、今回収録の8番と14番もそれなりに期待していたのだが、残念ながらあまり趣味に合わず。8番の序奏でかなり遅いテンポを取るなど、全体的に神経質というか細部へのこだわりが強く、私にはちょっとついて行けない感じ。(14番の終楽章はまあまあよかったけど。)一方の交響曲5番については少し前のBerlioz/Lisztと同様の印象。響きや多声表現に彼らしいこだわりが感じられ、そこは良いのだが、一方でメカニックの面では往時ほどのキレはなく、終楽章あたりはやや苦しそう。