2008年シドニー国際ピアノコンクール・ソロハイライト(その4)

[ABC 476 6929]

最後のCD4は小品と編曲物ということだが、結果的にはこのCDが一番見るべきものが少なかった。唯一気に入ったのはXun Wang(入賞外)の弾くLisztハンガリー狂詩曲第6番。これもラッサン部分は特にどうということはないのだが、フリスカのオクターブ連打の技術的な安定感は素晴らしい。他では、以前浜コンにも出ていたTatiana Kolesova(入賞外)のペトルーシュカはちょっと平凡だし、Yoon Soo Rhee(入賞外)のBrahmsパガニーニ変奏曲(第2巻)に至っては、この冴えない演奏がなぜハイライトCDに?、という感じ。RheeはCD1ではHaydnでよい演奏をしていたことを考えると、CD3の感想でもあったが、同じ人でも曲によって出来不出来、というか印象にかなり差がある。一人のピアニストがすべての曲を素晴らしく弾くなどということはありえない、というのは昔からの持論だが、このCDでもそれが言えそうである。