Nicolas DeletailleのSchubertアルペジオーネソナタほか

[Fuga Libera FUG529]

アルペジオーネで弾いたSchubertアルペジオーネソナタは、一昨年のDarmstadt盤で初めて聴いたのだけれど、今回も同じ趣向のCD。Darmstadt盤を聴いたときは、アルペジオーネの独特の音色に強い印象を受けたので今度もそれを予想していたら、意外にも今回はチェロとそれほど変わらないという印象。またDarmstadt盤では急速音型でテンポが遅くなったりしてこの楽器は演奏が難しいのだろうなと思ったところも今回は普通に弾いていたりして、なんだかちょっと拍子抜け。と言っても演奏は悪いわけでなく、もう少し細やかな表情があるとよいと思うところはあるものの、ヴィブラートに頼らない歌い方はやっぱり魅力である。総合的にはDarmstadt盤に勝るとも劣らない。併録の弦楽五重奏曲もどうせなら時代楽器&奏法で弾いてくれればよかったのだけれど。