Pizarro/PanomariovaiteのRimsky-Korsakovシェエラザード(4手ピアノ

Pizarro/Panomariovaite [CKD 293]

Rimsky-Korsakovのシェエラザードは、Stravinsky春の祭典と同様、オケ版より先に作曲者による4手ピアノ版を聴いて好きになったのですが、そんなこともあってこの曲もピアノ版のCDを見つけると(あまり数が出てないこともあって)つい手が出てしまいます。今回はArtur Pizarro(アルトゥール・ピツァーロ)とVita Panomariovaite(ヴィタ・パノマリオヴァイテ)のデュオによる演奏。併録はスペイン奇想曲交響詩「サトコ」の同じく4手ピアノ版。

第1部(海とシンドバッドの船)の主部を聴いて直ぐに気が付いたのはテンポがかなり遅めなことで、(オケ版を含めて)これまで聴いた盤に比べてとてもゆったりとした印象。同時に響きが多目な録音ということもあってしっとりと抒情的な雰囲気が漂っています。あるいは耽美的と言ってもいいかもしれません。ただその分ダイナミズムというかリズムのキレというか、そういうものにはちょっと欠けているようで、第1部での雄大な大海原のイメージとか、第2,4部でのスピード感溢れる劇的な部分などの表現はちょっと物足りないものがあります。特に第4部はクライマックスとも言えるところなのですが、どこか淡々としているというかヌルいというか、あまり盛り上がらずに終わってしまう印象です。丁寧なんだけど、ノリが悪いといいましょうか。この演奏で初めてピアノ版を聴いた人は、やっぱりオケでないと駄目だなと思ってしまうかもしれません。というわけで録音としてはMalferrari/Mazzoli盤やGoldstone/Clemmow盤の方が個人的にはお薦めです。ちなみに今回の盤は効果が上がるように楽譜に多少手を加えているようです。

残りの2曲はシェエラザードほど聴き込んでいない(サトコは初めて聴く)曲なのですが、シェエラザードでの印象もあるのか、やはりメリハリやダイナミズムにやや欠ける感じで、特にリズムにキレがあまり感じられないのが痛いです。打鍵にももう少し覇気があるとよいのですが…。