Bugallo-Williamsピアノ・デュオのStravinsky春の祭典ほか

Bugallo-Williams piano duo [WER 6683

ピアノ好きなだけに、オケ原曲でなくてピアノ編曲版を聴いてその曲の良さがわかるというか好きになることが結構あって、Rimsky-Korsakovのシェエラザードとか、Lisztのファウスト交響曲とか、Beethovenの田園交響曲の終楽章などはその例なんですが、今回取り上げるStravinsky春の祭典なんかはその代表です。で、この曲の2台ピアノ盤を見るとつい手が出てしまって(オケ盤は2枚しか持っていないのに…)、今回のはBugallo-Williams(ブガッロ=ウィリアムズ)ピアノ・デュオによる演奏。

聴いてみたところ、まあ普通の演奏という感じでした。部分的にはもう少し野性味というかバーバリスティックなところがあってもよかったのではないかとか、リズムのキレを強調してもよいのではないかというところがあって、全体としてはスマートな演奏という印象ですが、最初の序奏のような緩徐的な部分での細かいニュアンスの出し方は結構上手い感じです。実のところこの曲は最初に買ったIvaldi/Lee盤が刷り込みになっていて、それ以来結構いろいろな盤を聴いているのですが強く印象に残っているのはSay盤くらいで、割と個性を出し難い曲なのかもしれません。

ちなみに併録も作曲者自身による2台4手のための編曲が並んでいますが、ほとんど初めて聴くような曲で、中身の方もあまりピンとこないというのが正直なところ。その中でmovementsという曲*1はSchoenbergを思わせるようなバリバリの12音音楽風で、Stravinskyが(カメレオンと呼ばれたことは知っていましたが)こんな曲も書いていたのかと勉強になりました。つーか別に勉強する気もありませんが(笑)。

*1:世界初録音だそうです。