Christine SchornsheimのHaydnクラヴィーアソナタ全集

Christine Schornsheim

少し前のコメント欄でも書きましたが、既に各方面で高い評価を得ている模様のChristine Schornsheim(クリスティーネ・ショルンスハイム)のHaydnクラヴィーアソナタ全集を、遅ればせながら買ってみました。2005年にリリースされたもので、存在は以前から知っていたのですが、Brilliantの全集を買ったばかりだったのと、ネットショップでほんのちょっと試聴したときはそれほど心動かされなかったのでそのままにしておいたものです。まだ全部を聴いてなくて、とりあえず聴き馴染みのある曲(20曲くらい)だけを聴いた時点での感想。

全体的に速めのテンポで軽快なのですが、猪突猛進的に突っ走ったり、あるいはサラサラとひっかかりなく流れ過ぎるようなことがなく、随所に時代奏法らしいタメやアクセントが感じられる、いわゆるツボを押さえた演奏になっていて、さすがに各所で賞賛されるだけのことはあるなという感じです。少なくともSteier盤やBrautigam盤よりは私好み。となるとBrilliant盤と比較してどうか、ということになるのですが、そのあたりはちょっと微妙、というかBrilliant盤は5人の演奏家によるものなのでちょっとバラつきがあり、その中で私が一番気に入っているOortと比べると、Oortの方がやはり好みかな、という感じです。(他の人については全般的にSchornsheimの方が良さそう。)例えばHob.XVI-42の第1楽章などでは、Oortの方が表現に細やかな陰影やニュアンスが込められていて、それに比べるとSchornsheimの方はやや情緒というかコクに欠ける面があります。(逆に勢いというかノリの良さはSchornsheimの方に分がありますが。)その原因として使用楽器も関係していそうで、Schornsheim盤ではいろいろと楽器を使い分けているのですが、いずれもやや線が細いというか音が軽い感じで、またチェンバロっぽく多少金属的な響きがして*1、そのせいで音色的な表現の幅に制約を受けているような気がします。個人的には(Oort盤やDENONの小島盤がそうであったように)もう少し深みのある、また木質の音色だったらなというところです。

ともあれ、演奏の質と値段を考えるとお買い得なセットであることは間違いないでしょう。

*1:実際にチェンバロを使っている曲もあります。