Purcell QuartetのJ.S.Bach小ミサ曲集

Purcell Quartet [CHAN 0642,0653]

先日のJunghänel盤でその良さを知ったJ.S.Bachの小ミサ曲集ですが、ネットで調べたらだいぶ前にOVPPによる演奏が出ていることがわかり、買ってみました。演奏(と言うか伴奏)はPurcell Quartet。この名前はどこかで聞いたことがあると思ったら、以前J.S.Bachのオルガンのためのトリオソナタ集を弦楽三重奏+通奏低音に編曲したものを出していて、個人的にも結構気に入っていました。今回は当然管楽器も加わっています。声楽陣は上からGritton、Blaze、Padmore、Harvey。(と言っても例によってこの分野は疎いので知っている人はいませんが。)'99-'00年にリリースされたものです。

感想はと言うと、期待通りというか、OVPPの良さがよく出た好演です。合唱での各声部の動きがよくわかりますし、独唱もまずまず充実。Junghänel盤を聴く前であったらきっとこれが自分のリファレンス盤になっていたでしょう。ただ全体的な印象ではやはり(刷り込みも多少あるのか)Junghänel盤の方が少し上かなという気がして、まず独唱で言えば、C-Tとテノールがやや弱いかなというところがあります。例えばBWV235でのこれらのソロ(第4,5曲)を聴き比べると、こちらのC-Tはややのっぺりして表情が薄い感じがありますし、一方テノールはもう少し声に伸びと張りが欲しい気がします。(と言っても微妙な差ですが。)そのせいかどうか、多くの合唱でもこれら内声がやや大人しいというか引っ込んでいる感じがあって、外声の頑張りが目立つという印象を受けます。(これも微妙なところですが。)あと全体的にJunghänel盤の方が表現が劇的でメリハリに富んでいるところがあります。これは例えばBWV234や235のGloriaを聴くとよく差が出ています。(これは編成の大きさの違いによるところもあるでしょうが。)とは言っても合唱曲では最初に言ったようにOVPP独特の魅力がありますし、OVPP好きの私としてはJunghänel盤と同様、今後も聴き続けていくでしょう。