前回のKudoyarovのデビュー盤と同じレーベルから出ていたCD。ネットのカタログを眺めていたら去年の浜コンで2位だったSergey Kuznetsov(セルゲイ・クズネツォフ)のデビュー盤らしきものがあったのでついでに買ってみました。Brahmsの幻想曲集Op.116、Lisztのロ短調ソナタ、Scriabinのソナタ第3番と、曲目的にはそれほど興味がそそられるわけではないのですが、浜コンで聴いたよしみ(?)ということで。2002年録音。
浜コンでのKuznetsovは、良いピアニストだとは思うけど強く惹きつけられるというほどではない、という感じでしたが、このCDも同じような印象です。まず最初のBrahmsは例にって苦手な曲で、雰囲気的には悪くなさそうなんですが、私のこの曲に対するイメージを変える(開眼させてくれる)ところまではいきません。(そもそもそれが無理な相談なのかもしれませんが:-P。)次のLisztも良心的というか誠実な演奏なのですが、個人的には何かもう少し特徴的なところが欲しいところ。技術的にもそこそこですし、音の出し方に対する神経の行き渡らせ方など、よく考えていることはわかるのですが、繰り返し聴きたくなるとか、折に触れて聴きたくなるほどの魅力にまでは至っていない感じです。(この曲のCDはいやというほど聴いているのでそういう演奏はそもそも稀有なんですが。)最後のScriabinも同様で、しかもこの曲は去年の印象に残った10枚にも挙げたMelnikov盤の印象が強く残っているので、それに比べるとやはり分が悪いといったところです(ちなみにこの曲だけは浜コンでも弾いているのですが、私はこの曲のときに半分眠っていたのでほとんど覚えていません^^;)。
やはり(特にこういう有名曲揃いの)デビュー盤で強い印象を残すのはなかなか難しいというところでしょうか。