Olli MustonenのScriabinアルバム

MustonenのScriabinというのは個人的にはちょっと意外な感じ。Scriabinの音楽というと何か茫として音が融け合っているイメージがあるが(Gouldの録音などもそんな方向を目指していた)、Mustonenの手にかかると1つ1つの線が明確な輪郭を持ち、響きは決して濁らず(相当ペダルをコントロールしている?)、まるで作品をX線で透かして見ているかよう。例によってアクセントは鋭く、また10番ソナタではトリルの粒が異様に細かい。というわけで全体的に面白いScriabinであった。