Benjamin GrosvenorのChopin, Liszt & Ravel

イギリスで神童と謳われたGrosvenorのDeccaデビュー盤。彼を聴くのは初めてだが、なるほど確かに豊かな才能を感じさせ、その意味では神童がspoilされずに順調に成長したようで目出度い。指回りが優れていることは当然として、打鍵に全く力みがなく、タッチが洗練されているのが印象的。それでいてメリハリがあり、時折スッと力を抜いたりするようなところが心憎い。4つのスケルツォも良いが、特に感心したのが夜のガスパールで、最近(と言っても2年前だけど)ではSchuch盤が記憶に新しいが、それに匹敵するような演奏にすぐまた出会うとは思わなかった。今後も期待したい。