Simone Dinnersteinの’Bach: A Strange Beauty’

Goldbergベルリンコンサートで見せた柔らかくしなやかなBachが印象的なDinnersteinの新譜。今回のCDを聴いてますます彼女の演奏に魅せられてしまった。相変わらず響きが美しく、一つ一つのフレーズが細やかな表情に満ち、また自由で瑞々しい。特に気に入ったのは協奏曲第1番で、これまでこの曲はGouldのレニングラードライヴがお気に入りだったが、それとはまた違った魅力に満ちている。コラールBWV734の編曲版での右手の16分音符の滑らかさや、イギリス組曲アルマンドサラバンドで見せる深い抒情性も印象に残る。今後もBachをどんどん録音していってほしいものである。