Maurizio BagliniのLiszt超絶技巧練習曲集


以前出たBach/Busoni編曲集での多彩な音色やタッチの使い分けが印象に残るBagliniの超絶ということで、きっと正統的というか通り一遍の演奏にはならないだろうと予想していたが、それは当たっていたものの、エチュードで肝心となるメカニックのキレやスピードが今ひとつで、全体的には微妙な出来。特に技術的な制約からかリズムにやたらとタメを入れていて、後半の方になるとさすがに聴いていて疲れてしまう。ウリとなるはずの音色やタッチの多彩さも、曲のせいかあまり披露する見せ場がないようであった。